顔はいいけれど口の悪い、ナンバーワンコールボーイのりんご。逆恨みした客に顔を傷つけられ、客がつかなくなった彼を追いかけたのは、無口なボディガードの大倉だけだった。
akabekoさんのBLコミック『落果』をご紹介します。
『落果』とは?ストーリーや作者
『落果』は、akabekoさんによるBLコミックです。2018年2月に祥伝社 onBLUE comicsより刊行しました。
顔はいいけれど口の悪い、ナンバーワンコールボーイのりんご。気に入らない客の予約を蹴るなど傍若無人な振る舞いをしていたりんごは、逆恨みした客にカッターで顔を傷つけられ、消えない傷を負ってしまう。
客がつかなくなり、店を辞めたりんごを追いかけたのは、無口なボディガードの大倉だけだった。
表題作「落果」のほか、りんごの働く店のオーナーとホストの話を描いた「落果 スピンオフ」。そして、離婚し一人で暮らす男と家事代行サービスで訪れた青年の物語「君のいる家」の3つのお話が収録されています。
作者のakabekoさんは、多くのBLコミックを刊行している人気の作家さんです。特に痛くてせつないストーリーに定評があり、『少年の境界』ではオメガバースの世界観で性別検査により揺れる少年たちを描くなど、心がきゅっと痺れるような話が好きな方におすすめです。
『落果』の魅力
『落果』は特に、そのせつないストーリーが魅力です。表題作「落果」では、ナンバーワンコールボーイでその美しさから傍若無人に振る舞っても許されていたりんごが主人公です。しかし、逆恨みした客にその美しい顔を傷つけられ、状況は一変してしまいます。
自分には顔しかなかったのに、それを失ってしまったらもうなにもない。そう思っていたりんごの元に残ったのは、役立たずだと思っていた大倉だけでした。
傷だらけになったりんごはいろいろなものを失ったけれど、確かに得たものもあり……。それがわかるストーリーのラストはあたたかく、心が震えるお話です。
私が『落果』を読んだ感想5つ
私が『落果』を読んでおすすめしたいと思ったポイントを5つご紹介します。
①顔に傷を負い何もかも失ったNo.1コールボーイに残ったものは?「落果」
りんごは美しい顔のナンバーワンコールボーイ。しかし良いのは顔だけで、気に入らない客の予約を蹴るなど、傍若無人な振る舞いをしていました。その結果、逆恨みした客にカッターで傷をつけられ、顔に消えない傷を負ってしまいます。
客もつかなくなり店をやめることになったりんごは、自分には顔しかなかったのに何もなくなった、と何もかも投げやりに。しかし、そんなりんごについてきたのは、店でボディーガードをしていた無口で図体の大きな大倉でした。
大倉がりんごについてきた理由は、りんごがかつて言った言葉が大倉の心に深く刺さって存在を定義してくれていたから。大倉の愛は執着的ですが、それが逆にりんごを救った部分もあるのかもしれません。最後、素直になったりんごのかわいさにも注目です。
②バリタチボーイとホストの出会いは罰ゲーム!「落果 スピンオフ」
「落果」でりんごが勤めていたお店の店長は、かつてはタチ専の店でのナンバーワン。まだボーイをやっていた頃、罰ゲームで店を訪れたホストにイライラし、手酷く抱いてしまった過去があります。
嫌がるホストの腹を洗浄し、無理矢理イかせ、さらには挿入まで。気持ちいいと泣いてよがるホストのことをだんだんかわいいと思った店長ですが、それがきっかけてボーイは退職。なんと、誰を抱いてもイけない体になってしまったのです。
時は過ぎ、売り専ボーイの店を経営していた彼はたまたまホストと再会。おまえを探していたと言うホストに「女抱けなくなっちゃった?」と問うと肯定され、数年後しに再びセックスすることに!
なんだかんだで相性のいい二人は、出会い方こそ最悪でしたが、体の相性は抜群でした。ここから二人はお付き合いをするのか? ぜひ読んでみてください!
③「落果 スピンオフ」の続きが読める、蜜のように甘い『蜜果』
「落果 スピンオフ」の店長と、ホスト・レオのお話には、電子書籍限定で『蜜果』という続きが出ており、こちらもオススメです。その後の「落果」の二人の姿も!
店を辞めたりんごと大倉は、店長のもとに挨拶にやってきます。恋人となっていた二人は、なんとお店のロッカーでセックスを始める始末。平然としている店長ですが、そこにホスト・レオがやってくるので「セックスして待とう」と衝撃の提案をします。
体の相性が良いことから、セフレとして同棲する二人。けれど、扱いはもう恋人のそれで甘々です。エッチで甘々な二人の様子が存分に楽しめる続編になっています。
④男やもめが再び心を開いたのは家事代行サービスの青年。「君のいる家」
『落果』に収録されている中で登場人物や舞台が全く違うお話が「君のいる家」です。妻とうまくいかなくなり離婚した四十路の万才は、友人の勧めで家事代行サービスを利用することに。
やってきたのは南という長髪の青年で、はじめはそのチャラチャラした様子に引いてしまった万才でしたが、てきぱきと家事をする姿に感心します。長い髪を束ねてアップにする姿にドキッとしてしまい、四十路ながらも思春期のような反応をする自分に呆れる一幕も。
あくまで雇い主と家事代行サービスという関係でしたが、無意識に手に触れてしまったことで、意識してしまい家に呼べなくなってしまう万才。別の人を呼ぶなど距離をとっていた中、突然、南から電話があり「助けて」と震える声で呼ばれ……。
父と子ほど年の差がある二人のあいだでゆるやかに芽生える愛情がすてきな作品です。過去、南にあったできごとから、彼が自分のためでなく誰かのためにおこなう家事なら得意という理由を考えてしまいせつなくなります。おだやかでやさしい雰囲気の作品です。
⑤『落果』はドラマCDもオススメ!
『落果』はドラマCDになっており、「落果」「落果 スピンオフ」と、「蜜果」の
第1話が収録されています。
「落果」はりんごを中島ヨシキさん、大倉を古川慎さんが演じています。りんごの自信満々な様子から、何もかも失って自暴自棄になっている様子の差がはっきりしており聴いていて痛々しく感じます。低い声で喋る大倉のセクシーな声に感じるりんごの様子も必聴です。
「落果 スピンオフ」「蜜果」は店長を高橋広樹さん、ホスト・レオを小野友樹さんが演じています。コミックでも感情の変化がほとんど描かれない店長ですが、淡々としたトーンで喋る声はまさに店長そのもの。大人でエロティックな声に震えること間違いなしです。
『落果』が読める電子書籍サービスは?
Kindle
イーブックジャパン
ブックライブ
紀伊國屋書店
リーダーストア
まとめ:ナンバーワンから陥落し全てを失ったコールボーイと、唯一残った無口なボディガードの切ないBL『落果』
『落果』は、美しい顔を持つナンバーワンコールボーイと、そのボディガードの切ない恋を描いたお話です。ナンバーワンコールボーイのりんごは、その傍若無人な振る舞いが災いし、客に顔を傷つけられ店を辞めることになってしまいます。
りんごの元に残ったのは、ボディガードの大倉のみ。図体が大きいだけで無口な大倉がなぜ残ったのかが語られたとき、りんごはその内容に大きく目を見開きます。大倉がりんごに抱く気持ちは一体何なのか?
作者のakabekoさんは、多くのBLコミックを刊行している人気の作家さんです。痛くてせつないストーリーに定評があり、この『落果』も読んだ後に心が痺れるような感覚になること間違いなしです。
エッチも多く描かれており、甘々なものから無理矢理までさまざま。せつなく痛い恋愛をするBLを読みたいときに、ぜひ『落果』を読んでみてください。
