無愛想でクール、整った容姿でモテるけれど、人付き合いが不得意で友達はゼロ。そんな男に対し、人付き合いを教えてやる!と友達になることを提案し、二人は友達付き合いを始めるのですが、次第にそれぞれに変化が……。
エンゾウさんのBLコミック『さよなら、愛しのマイフレンド』をご紹介します。
『さよなら、愛しのマイフレンド』とは?ストーリーや作者
『さよなら、愛しのマイフレンド』はエンゾウさんによるBLコミックです。2012年にEYE’S COMICS BLinkより刊行されました。
ヘアメイクの安藤達緒は、同じ現場で働くスタイリスト・羽賀一のことが気になっていた。無愛想でクール、整った容姿でモデルやスタッフからモテモテの羽賀だが、友達ゼロで人付き合いはきっぱり断るタイプ。
安藤は面倒見の良さから、羽賀に「人付き合いをイチから教えてやる」と友達になることを提案する。ぎこちないながらも友達付き合いをはじめる二人だが、次第に態度が軟化していく羽賀に、安藤は友達以上の想いを抱き始めてしまう。
作者はエンゾウさんで、『さよなら、愛しのマイフレンド』のほかにも多くのBLコミックを刊行しています。高い画力と細やかな心情まで分かるストーリーに定評があります。表紙の2人の表情を見て、この作品が気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
『さよなら、愛しのマイフレンド』の魅力
『さよなら、愛しのマイフレンド』の魅力は、読んでいて「本当にありそう…」と思ってしまうくらい、リアルなストーリーです。安藤は面倒見が良い性格で、周りの人のことをよく見ており、現場のスタッフたちからも慕われている存在です。
一方、羽賀はスタイリストとして仕事もでき、容姿も整っているのですが、無口で人付き合いに対する心配りがゼロ。けれど、それを指摘したところ、自虐的な笑みを浮かべるのを見たことから、本当は一人で居たいわけではないのでは?と安藤は気付きます。
二人が「友達付き合い」をしていくことで、羽賀の態度は軟化し、仕事現場でもますます羽賀は人気になっていきます。それにモヤモヤしている自分に気付き、安藤は自分が羽賀に対して抱く想いに気付いていきます。
友達付き合いが、いつしか恋になっていく。そんな繊細な心の動きが、さまざまなきっかけで浮き彫りになっていくのが、この作品の魅力のひとつです。
私が『さよなら、愛しのマイフレンド』を読んだ感想5つ
私が『さよなら、愛しのマイフレンド』を読んでおもしろいと感じたポイントを5つ紹介します。
①「まずは友達から」な大人二人がカワイイ
安藤は撮影現場などで働くヘアメイク。最近、安藤が気になっているのは、同じ現場で働くスタイリストの羽賀のことだった。羽賀は容姿が整っているのに、人に対して無関心で人付き合いもせず、友達はゼロという体たらく。
そんな羽賀を見かねて、安藤は「人付き合いを教えてやる」と友達になることを提案します。いい大人二人が(安藤はギリ二十代)、まず友達になろうと言葉にするのもおもしろい! しかも、突っぱねるかと思った羽賀が意外と素直に従っているのもカワイイ……。
仕事現場でかんたんな会話をしたり、一緒にごはんを食べに行ったり。そんな当たり前の「友達付き合い」を、なにか初めて見るものに触れたような反応をする羽賀に、読んでいて自然と優しい気持ちになります。
②クーデレな羽賀の突然のデレにこちらもキュンキュンしちゃう
羽賀は普段はクール(というより無愛想)ですが、その分、本人も意識していない突然のデレの破壊力がすさまじいです。羽賀がこれまで人付き合いをしてこなかったのも、人間が嫌いというより、単純にやり方が分からなかっただけだと伝わってきます。
たとえば、安藤にたまには仕事現場の飲み会に参加したらどうだと言われたので、素直に参加する羽賀。現場のメンバーと羽賀が親睦を深めるいい機会だと見守る安藤ですが、羽賀は飲めない酒を飲みすぎて一人でダウンしてしまいます。
拗ねた様子の羽賀に理由を尋ねると、飲み会に参加したのは「安藤が誘ってくれたから」。誘ってくれたのに、飲み会中に自分と全然話をしてくれなかったことに拗ねていたのが判明し……。そんなのかわいすぎる!と読んでいて悶えてしまうこと間違いなしです。
③突然のキス! けれど、それはなかったことに……
安藤は次第に、自分が羽賀を「ひとりじめしたい」と思っていることに気付いてしまいます。友達になったのは人付き合いを教えるためで、羽賀がいろいろな人と交流することは喜ばしいことのはず。
けれど、羽賀が飲み会に参加したのは交流のためではなく、ただ安藤と飲みたかったのだと言ってくれることに喜んでしまう安藤。もう、これは友情ではなく、羽賀を自分のものにしたいという欲望だと気付き、安藤は勢いで羽賀に告白し、キスをしてしまいます。
ショックを受ける羽賀に、結局、告白はなかったことにと言って元の関係に戻ります。けれど、一度ぎくしゃくした関係がきれいに元に戻るはずもなく、妙な距離感になってしまった二人。告白から、それをなかったことにするまでの安藤の葛藤にも注目です。
④友情と愛情のあいだで揺れる二人がせつない
元の距離感を保ち始めた安藤に、モヤモヤしたものを感じ始めた羽賀。それの理由がわからないまま、ある日、羽賀は元々付き合いのあった女優との写真が密会として週刊誌に載ってしまいます。
それを見て、安藤にこれをスキャンダルだと誤解されては困ると必死に弁明する羽賀。安藤に嫌われたくない、その思いが羽賀を突き動かし、それまでの彼では考えられないほどの行動力を見せます。
どうして、安藤に嫌われたくないのか。羽賀もまた、自分がもう「友達」の範囲では説明できないほどの想いを安藤に抱いていることを知ります。「友達だけじゃいやだ」と感情を爆発させ、泣きながら必死に告げる羽賀のシーンは感動すること間違いなしです。
⑤デレ炸裂のエッチシーンに萌える
両想いになった二人のエッチは甘々そのもの。クーデレな羽賀がここぞとばかりにデレを炸裂させていて、安藤が悶える気持ちがとてもよく分かると思います。まるで懐かない野良猫のようだった羽賀がデレる様は必見です。
人間嫌いで感情を表に出さないタイプだった羽賀が、安藤によってどう変わっていったのか分かる表情がたくさん描かれています。2巻完結の物語ですが、ぜひ表紙を並べて比べてみてください!
『さよなら、愛しのマイフレンド』が読める電子書籍サービスは?
Kindle
イーブックジャパン
ブックライブ
紀伊國屋書店
リーダーストア
まとめ:大人同士の付き合いは友達からはじまり、やがて恋に変わっていく。『さよなら、愛しのマイフレンド』
『さよなら、愛しのマイフレンド』は、人間嫌いで友達ゼロだった羽賀が、見かねた安藤に友達付き合いを提案されるところから始まる物語です。友達として過ごしていくなかで、安藤は羽賀に恋心を抱いてしまいます。
安藤の告白に戸惑い、友達のままがいいと告白を突っぱねてしまった羽賀。けれど次第に、羽賀も自分が安藤のすべてがほしいと望んでいることに気付きます。そう気付いた羽賀の、感情を爆発させるシーンは見どころのひとつ。
全2巻というコンパクトな作品ですが、1巻と2巻の表紙を並べると、羽賀の成長、そして二人の関係性がどう変わったのかが分かるはず。大人同士の友達から始まるせつなく甘酸っぱい恋を感じたいときはぜひ『さよなら、愛しのマイフレンド』を読んでみてください!
