作品

同事務所だけど別グループでデビューした2人『ハローモーニングスター』

アイドルグループ「L.PLANET」のアツトと、同じ事務所のバンドアイドルグループ「REAL」のユキ。練習生だった頃、二人は恋人同士だった――。

アイドル業界を舞台に、かつて恋人だった二人が再びその距離を縮めていく。倉橋トモさんの『ハローモーニングスター』をご紹介します。

『ハローモーニングスター』とは?ストーリーや作者

『ハローモーニングスター』は倉橋トモさんによるBLコミックです。2018年にビーボーイコミックスデラックスより刊行しました。

5人組正統派アイドルグループ「L.PLANET」の中心メンバー・アツトと、同じ事務所のバンドアイドルグループ「REAL」でボーカルを務めるユキ。二人はスクールの練習生だったころ恋人同士だったが、アツトが先にデビューが決まったことでぎくしゃくし別れていた。

今や二人ともデビューしそれぞれ人気を得ているが、ユキはそっけない態度でアツトにあまり関わろうとしない。そんな中、アツトとユキがダブル主演を務める映画の製作が決まり、その間、二人で共同生活をすることが決まり……。

作者の倉橋トモさんは多くのBLコミックを出している人気の作家さんです。素朴な絵柄で、日々の生活の中で起こる小さな感情の変化を繊細に描く作品に定評があります。

『ハローモーニングスター』は、アイドル業界という華やかな舞台が目立ちます。しかし、練習や撮影、そしてそれぞれの生活を通じて起こる出来事や悩みで、ユキとアツトが再び心を通わせていくさまが丁寧に描かれた作品です。

『ハローモーニングスター』の魅力

『ハローモーニングスター』はアイドルスクールの練習生時代はコンビのように仲が良かった2人が、片方が先にデビューが決まり疎遠に。それぞれ別グループでデビューし人気を得てきた頃、なんと二人がダブル主演する映画の製作が決定!

……という、アイドルものが好きな方ならぜひ一度は読みたい!と思うであろう魅力的な設定の作品です。日常の描写も、それぞれのグループメンバーと楽屋でじゃれあう姿など、アイドル好きが見たいと思う描写のオンパレード。

ユキがアツトのグループのライブを関係者席で見ていたら、そのままステージに引っ張り出されるという展開も。もし自分がアツトとユキを推していたらテンションが上がってしまうこと間違いなしな展開が目白押しで、アイドルもの好きにはたまらない作品です!

私が『ハローモーニングスター』を読んだ感想5つ

私が『ハローモーニングスター』を読んでオススメしたいと思ったポイントを5つご紹介します。

    ①別れを切り出したのはユキ。まだユキを想っているアツトがせつない
    ②アツトが先にデビューが決まったとき、身を引いたユキの気持ちは?
    ③ダブル主演映画の撮影を通じ、理解し合う二人
    ④アツトがずっとユキに感じていた「負い目」の正体
    ⑤アイドルしているときとオフのギャップも素敵なドラマCDもオススメ

①別れを切り出したのはユキ。まだユキを想っているアツトがせつない

5人組正統派アイドルグループ「L.PLANET」の中心メンバー・アツトと、同じ事務所のバンドアイドルグループ「REAL」でボーカルを務めるユキ。両者とも次期トップ候補、ライバルと世間にもてはやされている人気グループだ。

アツトとユキはアイドルスクールの練習生だったころ恋人同士だった。しかし、アツトが先にデビューが決まったことでぎくしゃくし、ユキから別れを切り出し恋人関係は解消していた。それ以来、仕事で会ってもそっけないユキに、悲しい気持ちになるアツト。

そんな中、アツトとユキがダブル主演する映画の製作が決まり、共同生活をすることになった二人。それを喜ぶアツトだが、ユキはあくまで仕事だと取り合ってくれず……。ユキの反応に、まだ自分がユキを好きだと気付かされていくアツトの姿がせつないです。

②アツトが先にデビューが決まったとき、身を引いたユキの気持ちは?

アツトに冷たくあたるユキだが、決してユキはアツトを嫌いになったわけではなかった。アツトがデビューし半年経った頃、ずっとアツトの隣は自分のものだと思っていたのにそうではないと知って焦っている自分に気付いたユキ。

アツトも、ユキがデビューできなかったのは自分のせいだと感じ焦っていた。このままそばに居たら、二人とも駄目になる。そう思ったユキは別れを切り出し、二人は恋人を解消。

しかし、共同生活を通じて、お互いがまだ気持ちを少しずつ残していることに触れていく。ユキだけでなく、L.PLANETの他のメンバーとの絆も感じられるストーリーになっています。

③ダブル主演映画の撮影を通じ、理解し合う二人

ダブル主演映画の撮影が始まるが、ユキはアクシデントで足を怪我し、それを隠して撮影に臨んでいた。余計な心配をかけまいとするユキだが、アツトが怪我に気付いた上でそれとなくフォローをしてくれたおかげで撮影は成功。

この撮影が終われば、またそれぞれのグループでの活動が中心となり、一緒に過ごすことは少なくなっていってしまう。二人はそれを惜しむかのように、ホテルの部屋で二人で打ち上げをすることに。

酒も進み、お互いの本音を語っていく二人。決して二人が嫌い合って別れたわけではないこと、そして、些細なボタンの掛け違いが少しずつ修復されていっているのが伝わってきます。酒に酔って自分のグループメンバーを「仲良し」と惚気けるアツトもかわいいです。

④アツトがずっとユキに感じていた「負い目」の正体

酒に酔った勢いで、アツトはデビューが決まったときの社長との会話をぽつりぽつりと語り始める。アツトは社長にデモ楽曲を聞かされ、どちらが好きかを聞かれ素直に答えた。けれどそれが、社長にアツトとユキを別グループでデビューさせることを決心させていた。

自分が選んだ選択肢が「アツトとのデビュー」ではなく、他のユニットでのデビューという選択肢だったことを、ユキはずっと負い目に感じていたのだ。

それはユキがずっと知りたかった、なぜアツトが自分に負い目を感じているかの答えだった。その会話をすればいいだけだったのに、それができないまま5年もずるずるきてしまった二人。

お互いの気持ちがすれ違っていたことを言葉で埋め、再び抱き合う二人。エッチシーンは短めですが、心が通じ合った二人の甘くておだやかなエッチをぜひ読んでみてください。

⑤アイドルしているときとオフのギャップもいい!ドラマCDもオススメ

『ハローモーニングスター』はドラマCD化もされており、アツト役を中島ヨシキさん、ユキ役を仲村宗悟さんが演じています。劇中のライブシーンではL.PLANETとしてアツトが歌唱している楽曲もあり、本当にL.PLANETというアイドルが存在している錯覚を覚えます。

L.PLANETのメンバーで楽屋でわいわいしているシーンもしっかり収録されており、そのキャスティングも豪華。本当に仲の良いメンバーなんだなというのがセリフのテンポからも伝わってきてオススメのシーンです。

アツトとユキもまさにぴったりで、序盤のそっけないユキの声音と、終盤の優しい声音の違いにキュンとします。アツトもアイドルをしているときのキラキラした王子様ボイスと、オフで気を抜いているときのふわふわした声の違いがカワイイです。

原作読破後はぜひ、ドラマCDも楽しんでみてください!

『ハローモーニングスター』が読める電子書籍サービスは?

Kindle
イーブックジャパン
ブックライブ
紀伊國屋書店
リーダーストア

まとめ:練習生時代に仲が良かった二人が別グループでデビュー。そして再び愛を確かめ合う『ハローモーニングスター』

『ハローモーニングスター』は、アイドル業界を舞台に、別ユニットでデビューすることが決まり別れた二人が再び心を通わせ合うお話です。

正統派アイドルユニットL.PLANETのアツトと、バンドアイドルユニットREALのユキ。練習生時代に恋人同士だった二人は、アツトのデビューが先に決まったことがきっかけで別れ、それ以降ぎくしゃくしたままでした。

しかし、アツトとユキがダブル主演する映画が決まり、共同生活をすることに。共同生活や撮影を通じ、嫌いになって別れたのではないことに気付き始め……。

作者の倉橋トモさんはさまざまなBLコミックを出している人気作家。『ピンクとまめしば』には、このあとどんどん王子様アイドルになっていったアツトが出ていますのでそちらもオススメです。

アイドル業界BLが好きな方が一度は読みたいと思う設定やシチュエーションのオンパレード。意外と少ない「アイドルもの」に飢えている人はぜひ『ハローモーニングスター』を読んでみてください!