作品

ドSな攻めとちんまり受けのカップルが魅力の夏水りつさんはどんな作家?

夏水りつさんは、強気な攻めが、受けを虐めて、泣かせてしまうという作品が多いと思います。攻めは、世界は俺のために回っている空気をまき散らす「強気」なタイプばかりです。受けは「健気」「純情」たまに「ツンデレ」です。
夏水りつさんが描く攻めは、いつも受けを虐めて、泣かせます。
結局は「ベタベタ」「あまあま」になるのですが、受けに辛い思いをさせる夏水りつさんは、もしかしたらドSなのでは?と密かに思ってしまいます。

夏水りつとは?BL作家

夏水りつさんは、大阪在住のBL漫画家です。デビューが2004年なので、15年以上のベテラン作家さんになります。作品数も多く、シリーズ物も沢山描いています。
シリーズ物としては、「犬恋シリーズ」「猫恋シリーズ」「K先生シリーズ」があり、小さくなった課長の面倒をみる「課長シリーズ」も有名ですね。
またコミックの書き下ろしに「ブルボン」などのお菓子を擬人化した話も毎回載せています。この書下ろしは、隠れた人気シリーズだと思っています。
攻めはワイルドで、受けは可愛く、とても色気のある画風になっています。ワイルドな絵柄が示すように、攻めは「俺様」「傲慢」「いじわる」。でも本当は「執着」があり「甘やかし」です。
受けは「健気」「純真」で、めちゃくちゃ「可愛い」キャラが多いと思います。
Hシーンは、年を経る毎に激しくなっています。多くの作品を描いている割に、今まで作品のCD化はありません。珍しいですね。

夏水りつのおすすめの連載作品5つを紹介!

夏水りつさんは沢山の作品を描いているので、5つを選ぶのは、とても難しいです。今回はシリーズ物を抜かした。夏水りつさんらしさ溢れる作品を5つ選んでみました。

    ①『恋愛バスストップ』
    ②『完璧な恋人』
    ③『グッドモーニング』
    ④『先生、あのね』
    ⑤『アーモンドを七粒』

①『恋愛バスストップ』

『恋愛バスストップ』ほ、夏水りつさんの初期の作品になります。今の画風は、ワイルドでスピード感がありますが、この頃は繊細な描写で、しっとりとした大人の魅力にあふた作風です。
攻め受け共に「サラリーマン」「スーツ」です。その上、髪型が横分けで、典型的なサラリーマンと言えます。
週二回、バス停ですれ違う攻めの都築と受けの藤崎。すれ違うだけで何の接点もありません。それなのにひょんなことから、都築は藤崎を犯す妄想をするようになります。ノンケであるのに、藤崎を見る度に妄想が広がっていきます。涼しい顔したイケメンリーマンが、ものすごくエロい妄想をしているギャップは、なかなか可愛いのです。
都築が意識をすれば、それを感じて藤崎も都築のことを意識するようになります。そしていつの間にかお互いが気になる存在になるのです。
心の奥深く沈んだ恋は、挨拶から始まり、時々会うようになり、静かに進行していきます。しかし、ノンケが男に惹かれてしまうことに拒否感があり、二人の関係は壊れそうになります。壊れそうになって始めて、相手を思う強い気持ちに気づくのです。
普通のサラリーマンが、静かに恋に落ちるところが心を打ちます。奇抜な設定もないし、無理なこじ付けもない普通の話が、じわじわと心に染みてきます。
Hシーンはないのですが、大人の恋の話をしみじみと読みたい方にお勧めです。
「恋愛バスストップ」は新装版も出版されていて、それを読むと、二人のその後が描かれていて、たった4Pの書き下ろしですが、とても楽しめます。

②『完璧な恋人』

『完璧な恋人』も、わりと初期の作品です。今よりも絵は完成度が多少低いですが、この頃から、攻めはばっちりSが入っていて、読んでいてキュンキュンしてしまいます。
攻めの上田は「クール」「強気」で、スーツの似合う「サラリーマン」です。受けの篠原は、上田の上司で「メガネ」「美人」、そのうえ「M」です。
篠原が上田のいる会社の寮に引っ越すところから話は始まります。引っ越しを手伝った上田が、篠原の荷物の中に「SM雑誌」を見つけたことから、内緒にする代わりに自分に従うことを強要します。
何をさせられるのか戦々恐々としていた篠原ですが、二人きりで食事をしたり飲みに行ったり、まるでデートをしているようです。しかし夜には後ろ手に縛られて、口で奉仕させられたりします。
自分はMではなく、雑誌は友達が忘れて言ったものだと主張する篠原に、Mを認めないだけだ、Mを認めさせてやると言って、上田はS全開で、篠原を虐めます。
手錠を嵌めて目隠しをして責められ、なかなかイカせてもらえずに、うっすら涙を溜めている篠原が、本当に色っぽいのです。それをしている上田もどこか切なそうで、その表情もたまりません。
やることはドSだけど、実は不器用な上田が、自分の気持ちを伝えることができずに悶々としているあたり、じんときます。最後に上田が本当の自分の気持ちを告白するところは、篠原の気持ちとも相まって、こちらまで泣きそうになります。
上田のクールな流し目、篠原のいつもはツンとした美人が縛られてあえぐ様、Hの時の上気した顔など、一つ一つの表情が本当に素敵です。
短い話ですが、話、絵とも、萌えどころ満載です。BL好きな方なら必読と言ってもいいでしょう。

③『グッドモーニング』

夏水りつさんは、題名をつけるのが上手いと思います。「グッドモーニング」どんな話だが楽しみな題名です。
攻めの林は「サラリーマン」「年下」「自惚れ屋 」です。受けの篠原は「泣き虫」「純情」で、夏水りつさんの得意な設定になっています。
林が目を覚ましたら、全裸で、やはり全裸の男と一緒のベッドで寝ていたところから話が始まります。ノンケの林が一緒に寝ていたのは、「ホモ」と噂のある取り引き先の綺麗な男、篠原でした。昨夜の記憶の無い林は、篠原の「ホモ」の噂は本当だったのかと焦ります。
本当は何も無かったのに、篠原は行為があったことを匂わせます。ほんの軽い気持ちだったのですが、それを本気で受け取った林は、心無い言葉で、篠原を傷つけます。
好きなのに、だから少し冗談を言っただけなのに、昨日の楽しかった時間が台無しになったと悲しくて、林の前で泣く篠原が可愛くて色っぽくて、すごくそそります。あんな顔で泣かれたら、胸をドキュンと撃ち抜かれること間違いありません。
林は、自分が好かれてるという自惚れから、篠原のことを見下すような態度を取ります。篠原は、そんな態度を取られる度に傷つくのですが、それを態度に出さずにツンと胸を張っているところが、健気で泣けてくるのです。
他の男と歩いていた篠原を見た林は、その後、篠原に対してとても酷い態度を取ります。もう、こちらまで胸が痛くなるのです。そして篠原は大きな瞳からハラハラと涙を流します。
篠原は泣き虫で、すぐに泣いてしまいます。しかし篠原なら許せます!そのくらい可愛い。
林が実は嫉妬深くて、なかなか自分の気持ちを認められないというのも、不器用で笑えます。
結局結ばれる二人ですが、Hがなかなか激しいですね。いつもは余裕をかましている林が、いつになく余裕がない表情で、篠原を弄ります。涙をポロポロ流している篠原が、めちゃくちゃ色っぽい。これでは林も堪らないでしょう。篠原のことを後ろからギュッと抱きしめる林は独占欲丸出しで「デレデレ」なところにニンマリとします。
次の朝、きりりとした篠原の顔は、今までのふんわりとした可愛さは無く、別人のようです。自信のついた顔は、とても凛々しく輝いています。反対に林は、少し照れながらすごく優しい顔で「おはよう」といいます。じんわりとして涙が出てきます。二人の新しい朝の始まりですね。

④『先生、あのね』

「先生、あのね」という題名自体も可愛いと思いませんか?
攻めの日高は、一見人当りはいいですが「クール」で「強気」な先生です。日高の教え子だったのが受けの弓月で「メガネ」「健気」「純情」で、とても可愛い子です。
卒業の時に日高に告白した弓月は、4年後に答えると言われたました。日高の言葉を信じて4年間頑張った弓月は、大学卒業後、日高と同じ教師になって高校に戻ってきます。ああ、愛の力ですね。
最初のうちは、弓月の思いに応えられずに拒否する日高ですが、弓月の一途さに負けてしまいます。似合わない七三分けで頬を染めている可愛い顔で迫られたら、日高も腹を括るしかないでしょう。
お付き合いをすることになった二人ですが、一波乱も二波乱もあります。弓月がぐるぐると悩んで、へんな方向へと突っ走ってしまうから。弓月のそんなぐるぐるも日高の嫉妬や強引さで、軌道修正されるところも面白くなっています。
日高のにやりとした含み笑いにドキドキし、こらから何が始まるのか、それだけも興奮してきます!弓月の赤面したりニコリとした顔をきりりとさせる百面相や、目に涙を浮かべて悲しそうな顔をしているのも、すべて可愛い。弓月は可愛い!に尽きます。
Hシーンは、それなりにありますが、上半身のカットが多く、行為そのものはそんなにエロいという感じではありません。日高の余裕のない表情や弓月のぼんやりとした顔に、ため息がもれます。
心が通じ合った後の二人は「あまあま」で、弓月が可愛くて仕方ないという感じの「デレデレ」の日高にもニヤニヤが止まりません。弓月がいつかは自分が上になってやる!と心に誓っているところもほのぼのとして、読後感のいい作品です。

⑤『アーモンドを七粒』

夏水りつさんの作品の中でも、特に好きな作品です。攻めの渡辺は、人当りも良く顔もイケメンですが、実は「傲慢」「俺様」「腹黒」で、性格は最低。葉月は「純情」「健気」「乙女」という、渡辺とは正反対です。

会社の同期である二人は、異動で一緒の部署で働くことになります。渡辺は爽やかな笑顔で葉月に近づき、近くに住んでいるからと言って鍋を一緒に囲こみます。そうやって一緒に食事をしたり家でまったり過ごすうちに、だんだん仲良くなっていく二人です。

最初のうちこそ、何かあるのではないかと疑っていた葉月も、そのうちに心を許し、徐々に渡辺に惹かれていきます。そんな時に些細なことから、葉月がゲイであるということが渡辺にバレてしまいます。葉月が心の底に秘めて、ずっと秘密にしていたことです。

渡辺は葉月がゲイと知って、キスをして抱きしめて、それ以上の葉月が今まで知らなかったことを教えてあげます。
それからは二人で抱き合うことも多くなり、デートもします。葉月は今まで、自分の普通とは違う性癖のために、卑屈になりがちで、あまり笑うこともありませんでした。それが、渡辺のことを考える時の葉月の笑顔が、めちゃくちゃ幸せそうなんです。
そんな時、偶然に渡辺の自分に対する気持ちを知ってしまいます。渡辺にとって葉月は遊びで、もうすぐ切るつもりだと言っているのを聞いてしまったのです。聞いてしまった後の、悲しくてやるせなくて切なくて悔しくて、そんな複雑な表情が、すごくいいのです。
静かに沈んでいく表情が、夏水りつさんにしか出せない表情です。読んでいるいるこちらまで悲しくなります。
でも、その後の葉月が男らしかったのです。きっぱりと渡辺を拒否します。このあたりは、読んでいて涙が出てきます。葉月も苦しくて悲しいけれど、読んでいるこちらも一緒に悲しいのです!!
拒否されて初めて渡辺は自分の気持ちに向かい合い、徐々に本当に大切なものが見えてきてます。そして葉月に対しても真摯に向き合ううちに、二人の関係は再び始まります。
Hシーンは、なかなか色っぽいものになっています。決して激しいものではないけれど、セリフや心を繋げた時の表情など、とてもとても素敵なのです。
「アーモンドを七粒」は、一人一人の表情や音のないシーンがとても意味があって、それが切なくて胸を打ちます。何度読み返しても、その度に涙が出てきます。男女とか男同士とか、そういう垣根を越えて、恋ってなんて素敵なんだろうと思わずにいられない作品です。
BLの好きな方であれば、一度は読んでいただきたい作品です。

夏水りつのTwitterアカウントはどれ?

探したのですが、夏水りつさんのツイッターは見つからなかったので、どうやらツイッターはやっていないようです。

夏水りつの公式ホームページは?

HPもありませんでした。残念です。夏水りつさんの情報発信は、各連載雑誌や出版社をチェックして下さいね。

私が思う夏水りつの作品の魅力!

夏水りつさんの作品には、「俺様」「傲慢」な攻めと「健気」「純情」な受けというカップルが多いのが特徴です。
性格は悪いけど、男臭さ満々で、とにかくカッコいい!攻めと、純情で一途で、ちんまりとした可愛さのある受けのコントラストが、抜群な魅力となっています。そして、攻めが受けを虐めて泣かせることも多く、萌え要素満載なのです。
攻めの風貌がかっこよくモテモテのキャラで、浮気者風に見えますが、実は受けに「メロメロ」で独占欲が強いという設定も女子は好きだと思います。

まとめ:ワイルドな攻めが、可愛い受けを虐めつつも、最後は「あまあま」になる夏水さんの作品をぜひ読んで頂きたいです!

夏水りつさんの描く攻めは、細面でワイルドな風貌が多く、身体は逆二等辺三角形のガッシリとした体型です。そして長めの髪をかき上げる仕草がビシッときまるいい男なのです。
性格は「俺様」「傲慢」「いじわる」というような、あまりいい性格とは言い難いですが、恋に悩むところに愛らしさを感じます。
受けは、ちんまりとして丸顔に描かれることが多いです。丸顔でなければ、ツンとした美人さんです。ただどちらもすぐに赤面して背筋をピンを張った生真面目さがあります。
攻めは「独占欲」が強く、実は受けのことが大好き!です。独り占めにしたい、受けが他の誰かとしゃべってたりするだけでも「嫉妬」してしまうほどですが、それを出すのが恥ずかしいというような面倒くさいところがあります。
そんな気持ちを隠すためにも、自分に「嫉妬」させた受けのことを虐めてしまうのです。時には酷い言葉を吐いたり、Hの時に受けが泣いても許してもらえないほど攻めたりします。その「独占欲」の強さが、読者には萌え~となってしまうのでしょう。
Hシーンは、激しいものからそうでないものまで幅広く、作品によって描き分けているあたりは、さすがにベテランです。
ワイルドキャラの時は、汗を飛び散らせて受けを虐めますが、話重視の時には、余裕のない表情や幸せそうな表情で、魅せてくれます。
夏水りつさんは、私の選んだ作品以外にも、シリーズ物も多く描かれています。
コミックのあとがきに必ず載せている「お菓子の擬人化」シリーズも面白く、お菓子のくせして!無駄にカッコいいのです。いつかは独立したコミックで読みたいものです。
夏水りつさんの作品を一つでも読んだら、その魅力にハマると思います。まだ読んだことのない方は、すぐにでも読んでいただきたい、そんな魅力溢れる作家さんです。